高さ13.5メートルを誇る石造りの大仏は、もともと野外に単体で立っていた。しかし、霊園の開園30周年事業として「祈りの場としてのシンボル性を高めたい」という構想が持ち上がり、白羽の矢が立ったのが安藤忠雄氏だった。安藤氏が提示したアイデアは、あまりにも大胆かつ斬新だった。大仏全体をすっぽりと覆う巨大な丘を築き、あえて「頭のてっぺんだけ」を外から見せるというアプローチである。
アプローチを進むにつれ、参拝者は段階的に日常から切り離されていく。トンネルの暗闇を抜けた瞬間、天井の円形開口部から降り注ぐ自然光の中に鎮座する大仏の全貌と対面する仕掛けだ。この「見えそうで見えない」焦燥感と、一気に視界が開ける解放感の対比こそが、世界の建築関係者を唸らせ続ける演出の核心にほかならない。