「漢方薬だから副作用がなくて安全」という思い込みは危険です。葛根湯は体力が充実している「実証(じっしょう)」タイプの人に向けた処方であり、体質や持病によっては思わぬ健康被害をもたらすことがあります。
葛根湯の副作用と注意点として真っ先に挙げられるのが、生薬「マオウ(麻黄)」に含まれるエフェドリンの作用です。交感神経を刺激するため、高血圧症、心臓病、甲状腺機能障害の持病がある人は血圧上昇や動悸を招く危険があります。また、排尿障害を悪化させる恐れがあるため、前立腺肥大症の治療を受けている人も事前の医師相談が必須です。
さらに、生薬「カンゾウ(甘草)」の過剰摂取や長期服用によって、体内にナトリウムと水が溜まり血圧が上がったり手足に力が入らなくなったりする「偽アルドステロン症」にも警戒が必要です。普段から胃腸が弱く下痢をしやすい人や、極端に体力が落ちている高齢者が飲むと、胃もたれや食欲不振を引き起こすことがあるため、自身の体質を見極めた上で服用することが求められます。