夜顔に与えられた代表的な花言葉といえば、「妖艶」「儚い恋」「夜の思い出」、そして意外にも「温かな愛」である。なぜ太陽の光を拒むかのように夜に咲く花が、これほど対極的な感情を想起させるのだろうか。
最大の理由は、その極端な生態にある。開花は夕暮れから始まり、わずか一晩でその命を終える。闇の中で白く浮き立つ大輪の花姿と、宵闇に漂う濃密な香りは、まさに「妖艶」という表現が相応しい。一方で、朝日を浴びると一転してしおれ、花弁が紫がかった色へと変わり果てる様が、二度と戻らない「儚い恋」を象徴しているのだ。
しかし、単に退廃的なイメージだけではない。「温かな愛」という意外な意味は、漆黒の闇という冷ややかな世界の中で、ひたむきに白い花を咲かせる温もりを感じさせる姿に由来する。夜間飛行する蛾などの受粉媒介者を惹きつけるために特化した香りは、植物が生き残るための情熱そのものと言えるだろう。