東京にいながら、まるで遠く離れた山奥の渓谷へ旅に来たかのような錯覚を覚える。奥多摩の山々に抱かれた川井地区は、多摩川上流部でも指折りの水質を誇るエリアだ。立川や新宿から青梅線に乗れば、車窓の風景はビル群から緩やかに青々とした山並みへと変化していく。
現地に着いてまず圧倒されるのは、目の前を流れる多摩川のダイナミックな景観だ。巨岩の間を白波がぬうように走り、水深のある場所は深みのあるエメラルドグリーンに染まる。日常の雑音に晒された頭を休めるには、ただ河原の石に腰掛け、流れる水を眺めるだけで十分。2026年の今、こうした「何もしない贅沢」を求めて訪れる週末客が途絶えない。