日本のネット文化において「草」は笑いを意味する。しかし、彼がこの名前を選んだ理由は、単なる冗談ではなかった。投稿を遡るうちに、母親はある書き込みを見つける。「アスファルトの隙間から生える雑草のように、踏まれても誰も気に留めない存在」。それが、彼の自己評価だった。
現実の教室では一言も発しない少年が、ネット上では「草」として、同じように孤独を抱える不登校児や若者たちの相談に乗っていた。他人の痛みに寄り添いながら、自分自身の孤独は誰にも打ち明けられない。そんな二面性が、画面の向こう側に生々しく残されていた。