海外の国際医学誌に掲載された複数の論文は、握力と生命予後(生存率)との間に強い相関関係があることを証明している。握力が5kg低下するごとに、あらゆる原因による死亡リスクが上昇し、特に心臓病や脳卒中などの血管系トラブルのリスクが有意に高まるというデータだ。
なぜ「手の力」が「心臓や脳の健康」と繋がるのか。理由は明確である。握力は単なる手首の力ではなく、全身の骨格筋量や自律神経系、さらには微細な毛細血管の血流量を総合した「全身の健康度の縮図」だからだ。
握力が低い人は、体全体の筋肉量(サルコペニア)が減少している可能性が高く、それが代謝低下や慢性炎症を引き起こす。さらに最近の研究では、中年期における握力の維持が、将来の認知機能低下や認知症予防にも寄与することが判明しており、もはや手元の筋力は全身のアンチエイジングの命綱と言っても過言ではない。