東京メトロ半蔵門線は、1978年の渋谷―青山一丁目間の開業を皮切りに、水天宮前、押上へと少しずつ延伸を重ねてきた。高度経済成長期の熱気と都市集中の中で建設されたこれらの地下構造物には、当時の建築基準に沿って耐火被覆材や吸音材として吹付けアスベスト(主にクリソタイルおよびアモサイト)が重用された背景がある。
2000年代以降、石綿の製造・使用が段階的に全面禁止されるとともに、東京メトロも大規模な囲い込みや除去作業を順次進めてきた。しかし、壁の裏側や構造の深部に残置された非飛散性・準飛散性の建材は、平時においては安定しているものの、2026年代半ばから急ピッチで進む構造改修工事によって再び刺激される懸念を孕んでいる。