トルコ西部の港町イズミル近郊にある小さな村。ここでは今も、伝統的なガラス吹き職人たちが摂氏1000度を超える炉の前で汗を流している。職人の一人、ハサン氏は「ただのガラス玉を作っているわけではない」と誇らしげに語る。
「青いガラスには、古来より悪霊を退ける力があると信じられてきた。私たちは一つひとつに祈りを込め、目を描き入れる。持ち主の身代わりに割れるのは、このガラスに魂が宿っている証拠さ」。手作りのため、一つとして同じ表情のものはない。その不均一さと温かみが、大量生産されたプラスチック製品にはない独特の存在感を放ち、人々の心を惹きつけるのだろう。