この言葉のルーツを辿ると、古くは万葉集や平安文学にまで遡る。当時は単に「女性らしい」「優しい」といった性質を表す言葉であり、必ずしも悪口ではなかった。しかし、明治期以降の近代化と富国強兵の波の中で、男性に対して「強固な意志」や「決断力」を求める規範が強まる。その結果、その規範から外れた態度を「女のようだ」と見下す文脈が定着してしまった。
言葉は社会の鏡だ。女性の社会的地位が低く見積もられていた時代背景が、そのまま言葉のネガティブなニュアンスに直結していた事実は否めない。つまり、誰かを「女々しい」と呼ぶ行為は、間接的に女性全体を「決断力がなく、未練がましい存在」と規定する二重の偏見を含んでいたと言える。