1980年代初頭、日本の音楽シーンはアイドルポップスとニューミュージックの隆盛に沸いていた。その過渡期において、歌謡曲のキャッチーなメロディラインに本格的なハードロックや洋楽的なディストーションサウンドを持ち込んだ革新者がいた。ヘンリー広瀬である。
当時の日本の音楽業界では、「歌謡曲に重いギターサウンドを乗せるとヒットしない」という暗黙の了解が存在していた。しかし彼はその固定観念をあざ笑うかのように打ち破った。鋭いドラムのスネア、地を這うベースライン、そして歪んだエレキギター。これらを主旋律であるボーカルと絶妙なバランスでミックスする手法は、当時のリスナーに強烈な衝撃を与えたのだ。