かつて日本のテレビ界には、時代を映す鏡としての学園ドラマが常に存在していた。『金八先生』の説法、『GTO』の破天荒さ、『ごくせん』の任侠精神。しかし、令和に入り、そうした「強烈なキャラクターが引っ張る学園もの」は激減した。代わりに増えたのは、生徒同士の心理戦や、スクールカーストを冷徹に描くサスペンス調の作品だ。
社会のリアリティを反映した結果かもしれないが、視聴者がカタルシスを得る機会は減った。『教師びんびん物語』が持っていた、シンプルで、愚直で、最後には必ず救いがあるという構造。この王道のエンターテインメントが持つ底力を、私たちは過小評価していたのかもしれない。