アン・ハサウェイのキャリアを語る上で欠かせないのが、役柄に対するストイックすぎるまでの肉体改造です。世界的大ヒットを記録したアン・ハサウェイプラダを着た悪魔(2006年)では、平凡な女性からハイファッションを着こなす敏腕アシスタントへの変貌を演じるため、撮影初期に体重を約5kg増やし、後半に向けて減量を行うというハードな調整を経験しました。
さらに過酷を極めたのが、2012年の『ダークナイト ライジング』と『レ・ミゼラブル』の連続撮影です。キャットウーマン役では、身体のラインが露わになるスキンスーツを着こなすため、マーシャルアーツの猛特訓と厳しいヴィーガン食で徹底的に体を引き締めました。しかし、直後に控えていた『レ・ミゼラブル』のファンティーヌ役では、病と貧困に苦しむ女性を演じるため、撮影前の2週間で約7kg、撮影中にさらに約4kg、合計約11kg(25ポンド)の過激な減量を敢行しました。
当時のインタビューで彼女は、「1日にオートミールの薄いペーストをわずか2枚口にするだけの極限状態だった」「身体的にも精神的にも完全な飢餓状態に陥り、現実世界に戻るのに数か月を要した」と告白しています。この無理なダイエットは彼女の身体に大きな負荷を残し、その後の健康観を180度転換させる決定的な契機となりました。