ネット上の掲示板やSNSでは、「国立大とはいえ推薦入試組だけで固定されているのではないか」「一般入試組はボール拾いや雑用で終わるのではないか」といった噂が散見されます。しかし、現場の実態を取材すると、そうした推測が完全な誤解であることが分かります。
筑波大学蹴球部には、学年や入部経緯による上下関係や理不尽な雑用文化は一切存在しません。チームはTOP(A)、B1、B2、C1、C2といったカテゴリーに明確に分かれており、週末の公式戦や紅白戦でのパフォーマンスデータ(走行距離、スプリント回数、戦術的関与度など)が客観的に数値化されます。小井土監督をはじめとするスタッフ陣は、肩書や過去の実績ではなく「現在のパフォーマンスとチームへの貢献度」のみで序列を決定します。
さらに見落とされがちな盲点が、「部員全員が何らかの局(組織運営部門)に所属する」という独自のシステムです。蹴球部内には以下のような組織が置かれています:
- パフォーマンス局(データ分析班・メディカル班・フィジカル班):GPSデータの解析、相手チームの戦術スカウティング、怪我予防プログラムの策定。
- プロモーション局(広報・グッズ・イベント運営):ホームゲームの集客施策、SNS運用(フォロワー2万人超の公式アカウント管理)、スタンプカード企画や公式グッズの開発。
- 総務局・財務局:部費の適正運用、遠征手配、スポンサー獲得に向けた企業プレゼンテーション。
たとえ怪我で長期離脱した選手であっても、データ分析班として対戦相手のウィークポイントを暴き出し、天皇杯でのJクラブ撃破に決定的な貢献を果たすことができます。ピッチ外での役割を全うすることがピッチ内での戦術理解を深めるという好循環が、ネットの浅薄な噂を覆す強烈な結束力を生み出しているのです。