岩下志麻といえば、やはり多くの人の脳裏に浮かぶのは『極道の妻たち』シリーズでの堂々たる姐御役だろう。「あんた、なめたらあかんぜよ」という名台詞は、日本の映画史に残る名場面として今も語り継がれている。あの強烈なキャラクターから40年近くが経過した今も、彼女の持つオーラは少しも衰えていない。
しかし、彼女の魅力は決してその強さだけではない。小津安二郎監督の遺作『秋刀魚の味』で見せた可憐なヒロインから、大河ドラマでの重厚な演技まで、その演技の幅は極めて広い。今回公開された写真に見られる柔らかな表情は、彼女が歩んできた多様な女優人生の深みを物語っているかのようだ。