ワ・ラッセの真骨頂は、静寂な鑑賞にとどまらない「音と動き」の体験にある。
館内では日に数回、地元の囃子方(はやしかた)による生演奏と跳人(ハネト)の体験イベントが開催されている。重厚な大太鼓の振動が床から足裏へと伝わり、手振り鉦(がね)の高い金属音が空間を突き抜ける。2026年の現在、来館者が自ら衣装を身に着け、かけ声に合わせて跳ねる体験プログラムは連日満員だ。「ラッセラー! ラッセラー!」という歓声がリフレインする中、最初は照れくさそうにしていた旅行者たちが、最後には汗をかきながら笑顔で跳ね回る。見る側から「参加する側」へと瞬時に境界が溶けていく高揚感がここにはある。