しかし、時代の波は容赦なく老舗ブランドに押し寄せた。2010年代以降、国内のお菓子市場では「グミ」が劇的な台頭を見せ始める。手軽に噛めて手を汚さず、様々な食感を楽しめるグミは、若い世代を中心に爆発的な支持を獲得。一方で、口の中で時間をかけて溶かすハードキャンディの需要は徐々に縮小していった。
明治の公表データによれば、チェルシーの売上高はピーク時の2002年度には約25億円を誇っていたが、2026年度には約5億円へと減少。約20年で5分の1にまで落ち込んでいたことになる。原材料費や物流コストの高騰が追い打ちをかける中、効率的な生産ラインの維持が困難となったことが、53年の歴史に幕を下ろす直接の引き金となった。