遠野なぎこがメディアやブログでプライベートな苦悩や病状を赤裸々に開示する姿に対して、時にネット上では「かまってちゃん」「痛々しい」といった冷淡な声が上がることもある。しかし、彼女にとって自らの過去や苦しみを言葉にすることは、世間の注目を集めるためなどではない。生き延びるための切実な「心のデトックス」なのだ。
自らの傷口を塞がずに晒し続けること。それは、家庭という密室で親からの虐待に苦しみ、声を上げられずに死んでいきそうな人々への無言のメッセージでもある。悲劇をうやむやにせず声に出すことでしか、過去の恐怖という巨大な波に飲み込まれまいとする彼女なりの必死の抗いなのだろう。