2026年の世界的食トレンドとして定着した「ハイパーローカル(超地元志向)」だが、この店はその概念が広まるずっと前から実践を重ねてきた。使用する小麦の大部分は、車で30分圏内にある提携農家が栽培する古代麦(スペルト小麦)や希少な国産銘柄だ。農薬や化学肥料に頼らないタフな麦芽は、噛むほどに野性味あふれる濃密な旨味を放つ。
さらに見逃せないのが水と塩の選択だ。近郊の山あいから汲み上げる天然水と、伝統製法で作られた海塩。シンプルな材料だからこそ、ごまかしが一切効かない。地域の風土がそのままパンの味覚として結実しているのだ。