スクリーンのなかの機体を実際に空へと解き放った先駆者がいる。メディアアーティストの八谷和彦氏が手がけた「OpenSkyプロジェクト」だ。この試みは、『風の谷のナウシカ』に登場するメーヴェに触発され、実際に人間が乗って大空を飛べる機体「M-02J」を作り上げるという壮大な個人プロジェクトであった。
数多くの試作機と滑空テスト、そして小型ジェットエンジンの搭載を経て、M-02Jは実際に国土交通省から試験飛行許可を取得。無尾翼かつ体重移動で操縦する実機として、見事に大空を舞ってみせた。フィクションの機体が持つロマンを、本物の航空工学の手法で具現化したこのプロジェクトは、国内外の技術者やファンに計り知れない衝撃を与えたのだった。