正月やお盆になっても実家に帰省せず、電話やメッセージアプリの連絡も徐々に未読・既読無視へと移行していく。周囲からは「冷たい息子」「親不孝」と見なされがちですが、実家を捨てる長男の心理には長年蓄積された深い苦悩が存在します。
多くの当事者が口を揃えるのは、幼少期から刷り込まれ続けた「長男としての役割意識」に対する疲弊です。「妹や弟には甘いのに、自分だけには厳しい世継ぎ教育が課された」「実家の金銭問題や親の愚痴をすべて背負わされてきた」といった不公平感が、成人後も重荷としてのしかかり続けます。自立して家庭を持った瞬間、守るべき対象が「生まれ育った実家」から「自分の妻や子」へとシフトし、これ以上実家の犠牲にはなれないという防衛本能が働きます。
結果として、長男が実家に寄り付かない原因は単なる気まぐれや怠惰ではなく、自分自身のメンタルと新たな生活を守るための「やむを得ない自己防衛」といえます。