1980年代後半から1990年代にかけて社会現象を巻き起こした『とんねるずのみなさんのおかげです』。その番組内で突如として始まったのが、下町の工務店で働く職人たちが世界最高峰のロックバンドを目指すという異色のコントでした。これが矢島工務店の誕生秘話の原点です。
当時のフジテレビはパロディ精神と巨額の制作費を惜しみなく注ぎ込み、バラエティ番組の枠を超えたエンターテインメントを次々と量産していました。その中でも矢島工務店は、単なる「お笑い芸人の歌ネタ」という枠組みを完全に超越していました。土木・建築現場の日常の愚痴や下町のローカルネタを、全米スタジアムロック並みの重厚なディストーションギターに乗せて叫ぶというコンセプトは、当時の視聴者に凄まじい衝撃を与えたのです。
妥協を許さない美術セット、特効のスモークや火柱、そして超絶技巧のバックバンドを従えたステージングは、フジテレビのパロディバンド文化における最高傑作の一つとして現在も語り草になっています。