鞍馬山を真に体感するならば、叡山電鉄の鞍馬駅からスタートし、山を越えて貴船神社へと抜ける縦走ルートが欠かせない。出町柳駅から展望列車「きらら」に揺られて山里へ入るアプローチは、日常から非日常へと意識を切り替える格好のプロローグとなる。
仁王門から由岐神社を経て本殿金堂へ至り、金剛床での祈祷を済ませた後は、奥の院魔王殿を通過して貴船へと下る。山林の峻険な「火・気」を鞍馬で受け止め、谷底を流れる貴船川の「水・清流」で身を清めるこのルートは、陰陽のバランスを整える参拝路として古来重宝されてきた。全行程は約2時間半から3時間。歩きやすいトレッキングシューズと水分補給の準備が、心地よい巡礼を支える鍵となる。