ジャンル構造の観点からも、本作は極めて異色だ。壮大な宇宙観やタイムトラベル的要素を含んだSFファンタジーの骨格を持ちながら、物語の底流には人間の業や影を描き出す重厚なダークファンタジーの精神が流れている。空の上に広がる架空の都市と、地上に蠢く人々の交錯する運命。明るい希望と深い絶望が背中合わせに描かれるストーリーラインは、既存のライトなエンタメ作品に物足りなさを感じていた層に強く刺さるはずだ。
幾重にも張り巡らされた伏線、予測を裏切り続けるストーリー展開。観客はただ映像を眺めるのではなく、能動的に謎を読み解く快感に浸ることになる。ビジュアルの美しさと物語の残酷さが同居する独特の世界観は、間違いなく新たなカルト的人気を生み出すだろう。