ネットミームとしても広く定着している感謝の正拳突きの元ネタは、週刊少年ジャンプに掲載された『HUNTER×HUNTER』キメラ=アント編の回想シーンにあります。コミックスでは第25巻・第265話「解禁」に収録されており、作中最強の武闘家であるアイザック=ネテロのバックボーンを語る上で欠かせない屈指の名エピソードです。
当時46歳だったネテロは、自らの肉体と武術の才能がすでに限界(ピーク)に達していることを痛感していました。どれほど鍛錬を重ねてもこれ以上の劇的な進化が見込めないという絶望的な壁に直面したとき、彼の中に芽生えた感情は、焦りや諦めではなく、自らをここまで育ててくれた「武道への純粋な感謝」でした。
ネテロはその感謝の念を形にするため、人里離れた山に籠もり、以下の5つの動作を1セットとする修行を自らに課します。
- 1. 気を整え(精神の集中)
- 2. 拝み(両手を合わせ敬意を表す)
- 3. 祈り(武道への感謝を捧げる)
- 4. 構えて(基本の正拳の構えを取る)
- 5. 突く(渾身の正拳突きを放つ)
これを1日1万回行うという、常人であれば精神崩壊や肉体破壊を招きかねない極限の行が幕を開けました。