ネット上の一部では「税金を使ってでも直すべきだ」「民間企業に売却して民間レジャー施設として存続できなかったのか」という議論が散見されます。しかし、ここには屋外プール特有の経営的盲点が存在します。
第一に、北陸の気候条件と屋外プールの採算性です。北陸地方の夏は短く、梅雨明けから8月下旬までの実質的な営業可能日数は年間40日程度に過ぎません。雨天や台風が重なれば、営業日はさらに減少します。わずか1ヶ月強の営業期間で年間を通じた維持管理費、水質管理費、監視員などの人件費、そして巨額の設備投資を回収することは、民間企業であっても極めてリスクが高い事業構造です。
第二に、沿岸部特有の過酷な塩害環境です。海沿いの立地は景観に優れる反面、金属構造物の腐食速度が内陸部の数倍に達します。高度な安全基準が求められるスライダーや波発生装置を維持するには莫大なランニングコストが発生し続けます。民間事業者に打診しても「屋外プール単体での事業継続」に手を挙げる企業が現れにくいのは、こうした冷徹な収支計算が背景にあります。
【プロの結論】おすすめできる人・慎重になるべき人の判断基準
健民海浜公園の今後の活用にあたり、読者がどのような視点でこの場所と向き合うべきか、客観的な判断基準を提示します。
- 今後の利用をおすすめできる人:
- 四季折々の自然散策、ジョギング、ピクニックなど通年型のアウトドアを楽しみたいファミリーやシニア層。
- 新設予定のカフェや芝生広場を活用したデイキャンプ、地域イベントなど、穏やかなレクリエーション空間を求める人。
- 期待値の調整が必要・慎重になるべき人:
- かつてのような大規模ウォータースライダーや波のプールなど、大型水上アトラクション体験を再び期待している人(民間屋内プールや近隣県のリゾート施設へのシフトが必要)。
- 即座に完成された新テーマパークを求めている人(跡地全体の整備と民間施設の全面オープンには数年単位の段階的整備を要するため)。