山口県が誇る名産品は、食や風景だけに留まりません。緻密なクラフトマンシップが息づく地酒と伝統工芸品も高い評価を獲得しています。
獺祭(旭酒造・岩国市)|データ主導の酒造りが生んだ純米大吟醸の金字塔
岩国市周東町の旭酒造が手掛ける「獺祭(だっさい)」は、日本の地酒の概念を覆し、世界基準のプレミアムサケとして確固たる地位を築いた名酒です。杜氏の経験と勘だけに頼る従来の手法から脱却し、酒米の王様「山田錦」の精米から発酵温度まで徹底したデータ管理と衛生管理を導入。精米歩合23%まで磨き上げた「獺祭 磨き二割三分」をはじめとする全量純米大吟醸造りにより、華やかな吟醸香と繊細かつ透明感のある味わいを実現しています。
萩焼(萩市・長門市)|使い込むほどに風合いが育つ「一萩二楽三唐津」の茶陶
慶長9年(1604年)、萩藩主・毛利輝元が朝鮮半島の陶工を招いて開窯したことに始まる「萩焼」。茶道の世界では古くから「一萩二楽三唐津」と称され、高い格付けを誇ってきました。萩焼の最大の特徴は、焼き締まりの少ない柔らかな土質と釉薬によって生じる細かいひび割れ「貫入(かんにゅう)」にあります。長年使い続けることでお茶が浸透し、器の色合いや風合いが徐々に変化していく現象は「萩の七変化」と呼ばれ、持ち主と共に育つ工芸品として愛されています。