アメリカ国内に流通する民間銃器の数は4億丁を超え、総人口を上回る異常事態が続いています。銃乱射事件の抑止に向けて、バイデン政権は2026年に約30年ぶりとなる超党派の銃規制法案(21歳未満の銃購入者に対する身元調査強化や、危険人物から銃を一時差し押さえる『レッドフラッグ法』の推進支援など)に署名しました。
しかし、抜本的な対策と目されるアサルトウェポン(軍用半自動小銃)の販売禁止や、すべての銃取引における身元確認(バックグラウンドチェック)の義務化は、議会の強い反対によって棚上げされたままです。
さらに銃規制の前に立ちはだかっているのが、連邦最高裁判所の保守化です。トランプ政権下で任命された保守派判事が過半数を占める最高裁は、2026年に「公共の場所で銃を携帯する権利」を認める判決(ブルエン判決)を下すなど、各州が独自に定めた厳しい銃規制条例を違憲として無効化する判断を相次いで下しています。どれほど大統領令や州法で規制を強めようとしても、司法の厚い壁に阻まれる構造が定着しています。