結論から申し上げますと、猫のひげを意図的に切る行為は絶対に避けるべきです。トリミングサロンで毛並みを整える際であっても、ひげだけは残さなければなりません。毛自体に痛覚はありませんが、ひげを失った猫は周囲の空間情報をリアルタイムで把握できなくなり、突如として暗闇に放り出されたような極度の恐怖と混乱に陥ります。
ひげを切られた猫に見られる代表的な悪影響には、以下のようなものがあります。
- 平衡感覚と空間認識の麻痺:段差の目測を誤って着地に失敗する、狭い隙間に入り込んで身動きが取れなくなる、壁や家具に頻繁にぶつかる。
- 深刻なストレスと性格の変貌:周囲の状況が掴めない不安から、部屋の隅に隠れて出てこなくなる、攻撃的になる、食欲が極端に低下する。
- 運動能力の著しい低下:高い場所へのジャンプや素早い方向転換ができなくなり、日常的な活動量が激減する。
万が一、子どもの悪戯や事故で短く切れてしまった場合でも、毛根組織が生きていれば数ヶ月で再び伸びてきます。しかし、再生するまでの期間、猫は甚大なストレスに晒され続けることになります。生活空間の段差を減らし、ケージや静かな部屋で安全を確保する特別な配慮が求められます。