住宅の立地条件、デザインテイスト、予算配分によって採用すべき軒の寸法は明確に分かれます。後悔を防ぐための判断基準は以下の通りです。
軒の出を「75〜90cm」しっかり確保すべき家
- 長期的なメンテナンスコスト(生涯コスト)を最小化したい施主:外壁の劣化進行を抑え、足場を組んで行う高額な外壁・シーリング再塗装のサイクルを大幅に延長できます。
- 敷地に十分なゆとりがあり、建ぺい率に余裕がある場合:1mの非算入ルールをフルに活用し、住まいの耐久性とパッシブ性能を最大化すべきです。
- 南面・西面に大きな掃き出し窓を設ける間取り:夏場の遮熱と冬場の採光を両立させ、光熱費を恒久的に削減できます。
「軒ゼロ・極小軒(30cm未満)」にならざるを得ない・慎重を期すべき家
- 都市部の狭小地で、北側斜線や道路斜線制限が極めて厳しい立地:物理的に軒を出せない場合は、外壁に通気胴縁を確実に通し、雨水侵入を防ぐ最高グレードの透湿防水シートおよびシーリング材(高耐候オートンイクシード等)を必須指定してください。
- キューブ型モダンの意匠を絶対視するケース:屋根の笠木部分の水切り金物の納まりや、パラペット天端の防水立ち上がり寸法を設計基準以上に高く確保する特注施工が前提となります。