サッカーファンやSNS上で時折見られる誤解が、「3バック(5バック)を採用するのは守備的で消極的な戦術ではないか」という懸念です。しかし、現代サッカーにおける3-4-2-1の本質は真逆であり、極めてリスクを冒した攻撃的システムです。
日本代表のウイングバックには、本職のサイドバックではなく、三笘薫、堂安律、伊東純也といった生粋のウインガーが配置されます。彼らの位置取りは実質的なウイングであり、攻撃時には5レーン全てに攻撃専任のタレントが侵入します。データ解析企業や専門誌のトラッキングデータを見ても、日本代表のアタッキングサードにおける滞在時間とシュート創出数は、4バック時代を大きく上回る数値を記録しています。
一方で、この超攻撃的3バックには明確なリスクも潜んでいます。ウイングバックの背後(CBの脇のスペース)は広大に空くため、ボールを奪われた瞬間のプレスコールが遅れれば、一気に決定的なピンチを招きます。このシステムが成立しているのは、冨安健洋や町田浩樹、板倉滉といったCB陣が広いエリアを1対1で守り切る驚異的な対人能力と走力を備えているからに他なりません。「個の強さ」が前提にあるからこそ成立するハイリスク・ハイリターンな陣形なのです。