整理収納の現場取材や生活実態調査において、タンスの引き出しが閉まらなくなる主たる要因として挙げられるのが「ミルフィーユ型の重ね置き」です。洗濯物をたたむ際、面積を広く取ったまま上へ上へと積み重ねていくと、下層にある衣類が自重で圧縮される一方、上層は空気を含んで不均一に膨らみます。
この状態で1枚を引き抜こうとすると、布地同士の摩擦によって上下の衣類が引っ張られ、一瞬で引き出し全体の秩序が崩壊します。結果として「どこに何があるか見えない」「同じような服を買い足してしまう」「奥の服がシワだらけになる」という負のループが発生します。
引き出しの収納力を2倍近くに引き上げる鉄則は、「すべての衣類を長方形に整え、縦方向に自立させて並べる」という一点に尽きます。本棚に本を並べるように垂直収納(バーチカル・ファイリング)を徹底すれば、引き出しを開けた瞬間に全アイテムが一覧でき、1枚だけを抜き取っても隣の衣類が倒れる心配がなくなります。