食道静脈瘤に関して、インターネット上や患者の間で広まりがちな代表的な誤解を是正します。
誤解1:「痛みがないから、まだ破裂の心配はない」
【真相】食道粘膜には皮膚のような痛覚神経が発達していないため、どれほど巨大な瘤になっても痛みは出ません。「痛くない=安全」という認識は極めて危険であり、内視鏡で直接観察しない限りリスクの判定は不可能です。
誤解2:「一度内視鏡手術を受ければ完全に治る」
【真相】EVLやEISはあくまで「破裂しそうな血管を物理的に塞ぐ対症療法」です。肝硬変による門脈圧亢進が続いている限り、数ヶ月から数年のスパンで別の場所に静脈瘤が再発します。治療後も半年に1回の定期的な内視鏡検査が生存のための必須条件です。
誤解3:「胃薬を飲んでいれば吐血を防げる」
【真相】胃酸を抑えるプロトンポンプ阻害薬(PPI)は食道粘膜のびらんを防ぐ補助的な効果はありますが、静脈瘤自体の血流圧力を下げるものではありません。根本的な破裂予防には内視鏡治療および門脈圧降下薬(β遮断薬等)の併用が必要です。