下処理を完璧に終えたら、勝負は火入れです。ミスジステーキの美味しさを最大限に引き出すフライパン調理の黄金手順を紹介します。
塩コショウは「焼く直前」に振ります。塩を振ってから放置すると浸透圧で旨味を含んだ肉汁が流出してしまうためです。
- 強火で表面に香ばしいメイラード反応を作る:
フライパンに牛脂または油を熱し、煙がうっすら出る程度まで温めたら肉を投入します。強火で約1分〜1分半、こんがりとしたきつね色の焼き色がつくまで動かさずに焼き固めます。 - 裏返して弱火にし、じっくり熱を伝える:
肉を裏返し、弱火に落として約1分〜1分半焼きます。ここでバター1片と潰したニンニクを投入し、溶けたバターをスプーンで肉の表面に回しかける(アロゼ)と、風味が増し乾燥を防ぎながら均一に熱が入ります。 - 【最重要】アルミホイルに包み、焼いた時間と同時間休ませる:
フライパンから肉を取り出し、二重にしたアルミホイルでふんわりと包みます。温かい場所で3〜5分間放置して余熱で中心まで熱を通します。この休ませている間に、加熱によって中心に集まっていた肉汁が全体へ均一に行き渡り、カットした際に肉汁が流出するのを防ぎます。
目指すべき中心温度は54℃〜58℃(レア〜ミディアムレア)です。カットした断面が鮮やかなロゼ色に輝いていれば大成功です。ミスジのジューシーな肉汁と適度な脂には、シンプルなわさび醤油、すりおろしポン酢、あるいはガーリックチップを添えたステーキソースが抜群の相性を誇ります。
【プロの結論】おすすめできる人・慎重になるべき人の判断基準
肉の個性を理解した上で、ミスジステーキを選ぶべき人と避けたほうが無難な人の基準を明確に提示します。
ミスジステーキを強くおすすめできる人:
- サーロインのような過剰な脂っこさは苦手だが、パサパサの赤身肉も嫌な人
- ヒレ肉のような上質な柔らかさを、リーズナブルな価格(高コスパ)で味わいたい人
- 簡単な下処理(筋切りや常温戻し)を手間と感じず、丁寧な料理を楽しめる人
- ローストビーフやレア〜ミディアムレアの赤身肉の旨味を好む人
購入に慎重になるべき人(他の部位を推奨する人):
- 「肉は中まで完全に火が通っていないと食べられない(ウェルダン派)」な人(火を通しすぎると確実に硬化します)
- パックから出してそのままフライパンに放り込むだけの完全ノータッチ調理を求める人
- 一切の筋感や赤身特有のコクがなく、どこを噛んでも均一にとろける食感を求める人(和牛サーロインやカルビを推奨)