商業ビルや駅直結エリアの賑わいから一歩足を踏み入れ、桜町交差点の裏路地や新富町の飲食街へ向かうと、そこには富山駅前居酒屋の地元民穴場と称されるディープな空間が広がっています。観光ガイドに大々的に掲載されないものの、平日の夕方18時には常連客のボトルが並ぶ名酒場たちです。
現場取材において、地元の金融機関に勤務する40代男性は次のように証言しています。
「出張客の方々は駅ビルに入りがちですが、本当に旬の地魚を適正価格で食べたいなら、駅から徒歩4〜6分歩いた路地裏の個人店一択です。例えば、お通しにバイ貝の煮付けやホタルイカの沖漬けがさりげなく出てきて、黒板には定置網で揚がったばかりのカレイやメギスの天ぷらが並ぶ。観光地価格ではない本物の日常がそこにあります」
また、近年の特徴として富山駅の居酒屋で一人飲みカウンターを求める単身旅行者・出張者の急増が挙げられます。駅前の人気店では、一人客向けに刺身盛り合わせを「1人前・少量多品種」で快く仕立て直してくれるホスピタリティが定着しています。オープンキッチン越しに店主が「今日の寒ブリは氷見の11キロ物で脂が乗っているよ」「勝駒の純米が入ったから少し味見してみるかい?」と気さくに声をかけてくれる温もりこそ、地方都市ならではの醍醐味です。