「飲み放題で店舗の原価ベースの元を取る」ことは、一般的な飲酒量では極めて困難です。飲食業界の仕入れデータによると、一般的な居酒屋で提供されるアルコール類の原価は、私たちが店頭のメニュー表で目にする販売価格とは大きくかけ離れています。
最も原価が高いとされる樽生ビール(中ジョッキ換算)でも仕入れ原価は約140円〜180円程度です。これに対し、甲類焼酎を炭酸とシロップで割るチューハイやレモンサワーの原価は約15円〜25円、大容量ペットボトルウイスキーを使用した一般的なハイボールに至っては約20円〜35円に過ぎません。ウーロン茶やジュースなどのソフトドリンクは約10円〜15円とさらに原価が下がります。
店舗が飲み放題を2時間1,800円で提供している場合、原価ベースで1,800円分の仕入れを消費するには、ビールだけで10杯〜12杯以上、サワー類であれば60杯以上を飲まなければ計算が合いません。つまり、原価の観点において「店舗を赤字にさせる」という意味での元取りは現実的ではない構造になっています。
しかし、消費者側の視点である「単品メニュー価格換算での元取り」であれば話は別です。単品価格が1杯550円の生ビールであれば4杯以上、1杯450円のサワー類でも4〜5杯以上飲むことで、メニュー上の支払総額を上回り、経済的なメリットを得ることが可能です。