銀座や浅草、上野といった下町の路地裏を歩くと、昼時を待たずに長い行列ができている。並んでいるのは、スマートフォンを片手にした若者グループや、ガイドブックを大事そうに抱えた外国人観光客だ。かつては近隣の常連客が集う憩いの場だった店舗が、いまや世界的スポットへと変貌を遂げている。
SNSにおける「レトロ写真」のトレンドは、令和8年の現在も冷める兆しを見せない。銀のプレートに盛られたナポリタンや、艶やかなデミグラスソースがたっぷりかかったハンバーグ、硬めのプリン。視覚的な美しさと懐かしさが同居する一皿は、デジタルネイティブ世代にとって「新鮮な没入体験」として映るのだ。