太陽が海へ沈み、アーケードの昭和レトロな街灯が点灯すると、熱海銀座は昼間とはまったく異なる顔を見せ始める。以前の温泉街にありがちだった「夜になるとゴーストタウン」という姿は、ここには存在しない。
近年急速に盛り上がっているのが、リノベーションされた長屋にオープンしたクラフトビールバーや、地元の新鮮な魚介をアヒージョスタイルで提供するバルだ。温泉で汗を流した浴衣姿の観光客と、仕事帰りの地元住民がカウンターで肩を並べ、冷えたグラスを交わす。かつての「スナック文化」を現代風に再解釈したネオ酒場も増えており、深みのある大人の夜を愉しめるスポットとして人気を集めている。夜の賑わいが生まれたことで、日帰り客の滞在時間が延び、宿泊客の夜間回遊率も飛躍的に向上した。