タイパ(タイムパフォーマンス)や効率性を重視してきたZ世代のあいだで、週末に時間をかけて料理を楽しむトレンドが定着した。SNSには「#道具を育てる」というハッシュタグとともに、鉄フライパンの油ならしや木製まな板の手入れ動画が溢れる。
そうした若者たちにとって、店舗は単なるショップではなくワークショップの場だ。出刃包丁を使った魚のおろし方講座や、味噌仕込みのイベントは予約が殺到する状況が続く。効率化の果てに行き着いたのは、自らの手で素材を調理する手応えと、それを共有するコミュニティの温もりだった。