創業300年を超える和菓子の老舗が、今期打ち出した新作が波紋を呼んでいる。原材料の調達から包装材に至るまで、徹底的に環境負荷を抑えた新世代の銘菓だ。使われている小豆は、地元の循環型農法で育てられた丹波大納言。砂糖の精製過程にもこだわり、素材本来の力強い甘みとコクを引き出している。
一口食べれば、驚くほど澄んだ風味が口いっぱいに広がる。過度な装飾を削ぎ落としたシンプルな造形は、まさに引き算の美学。単に「映える」だけのスイーツに飽きた旅行者たちが、この真摯な味作りに熱い視線を注ぐのも頷ける。環境への配慮と卓越した職人技が同居するこの一品は、次世代の食のあり方を静かに雄弁に物語っている。