バスケットボールにおける3秒ルール(3-Second Rule)の根本的な目的は、ゲームのダイナミズムを維持することにあります。もしこの制限が存在しなければ、圧倒的な身長や体躯を誇るセンタープレイヤーが常にゴール真下に陣取り、安易なパスを受けて得点を量産するだけの単調な競技と化してしまいます。そうした事態を排除し、スピード感あふれるスペーシングと戦術的なパスワークを促進するために設けられた規定です。
日本国内の公式戦(Bリーグ、Wリーグ、大学・高校バスケなど)が準拠するFIBA公式競技規則において、3秒ルールの対象となるのはオフェンス側のプレイヤーです。自チームがフロントコートでライブボール(インプレ―状態のボール)をコントロールしている間、相手ゴール下の「制限区域(通称:ペイントエリア)」に連続して3秒を超えて留まることが禁止されています。
ここで重要なのは「制限区域(ペイントエリア)」の厳密な定義です。コート上のフリースローレーンおよびエンドラインで囲まれた着色エリアを指しますが、境界線そのものも制限区域の一部とみなされます。つまり、プレイヤーのシューズがラインの上にわずか数ミリでも触れていれば、ペイントエリア内に位置していると判定されます。
なお、審判が3秒バイオレーションをコールした際、審判のハンドシグナルとして片手を水平に前方へ突き出し、指を3本(人差し指・中指・薬指)立てて示す動作が行われます。このシグナルが提示された瞬間、攻撃側のターンオーバーとなり、ペナルティとして相手チームに直近のアウトオブバウンズからのスローインが与えられます。