臨床現場で確認される溝状舌(英語名:Fissured tongue / Plicated tongue)の症例写真や外見的特徴を観察すると、亀裂の入り方には大きく分けていくつかの明確なパターンが存在します。
最も典型的なのは、舌の中央を走る正中溝(せいちゅうこう)に沿って1本の深い縦の亀裂が走る「正中型」です。これに加え、中央の主溝から木の葉の葉脈のように左右へ複数の小溝が枝分かれする「木の葉状型」、さらには舌の表面全体に網の目状・格子状の不規則な亀裂が無数に広がる「網状型」などが臨床写真で確認されます。溝の深さはわずか1ミリ程度の浅いものから、数ミリに達して舌の筋肉層近くまで割れているように見えるものまで個人差が顕著です。
疫学調査によると、溝状舌の発現率は一般成人の約5%〜10%と報告されています。乳幼児や子供の頃には目立たず、思春期以降や加齢とともに溝が深くなって顕在化する傾向があります。痛みや腫れを伴わない限りは生理的な個人差の範囲(正常変異)とみなされ、過度に恐れる必要はありません。