京都のラーメンカルチャーにおいて「たかばし」という地名は特別な響きを持っています。京都駅周辺の再開発が進み、近代的なビルが立ち並ぶ中にあって、昭和の風情を色濃く残すこの一角は、全国のラーメンフリークから「京都ラーメンの聖地」と称されてきました。
第一旭の営業スタイルにおける最大の特徴は、朝6時開店という「朝ラーメン(朝ラー)」文化の確立にあります。もともとは早朝に仕事を終えた市場関係者や、夜行列車・長距離トラックのドライバーたちの胃袋を満たすために始まったこの早朝営業ですが、現代では夜行バスで早朝に京都へ到着した旅行者や、寺社仏閣の開門前に腹ごしらえを済ませたい観光客の行動様式と完全に合致しています。
都市社会学の観点から見ても、第一旭の行列は単なる「食事のための待機列」を超え、「京都の旅の始まりを告げる儀式(アトラクション)」として機能しています。早朝の澄んだ空気の中、立ち上る豚骨と醤油の湯気に包まれながら待つ体験そのものが、訪問者の記憶に深く刻まれる構造となっているのです。