長年親しまれてきた吉田キャンパス東大路通沿いの石垣に並ぶタテカンが姿を消す直接の引き金となったのは、京都市による景観条例(屋外広告物条例)の厳格適用でした。古都の美しい街並みを保全するため、京都市は2007年以降、屋外広告物の高さや色彩、設置場所に関する厳しい基準を市内全域で段階的に強化。その対象がついに大学の敷地境界にまで及んだのです。
京都市は2017年秋、大学敷地の外側(公道)に向けて無許可で設置されている立て看板について、「景観を損ねる屋外広告物」に該当するとして京都大学へ文書で指導を実施。これを受け、大学当局は2018年3月に「京都大学における指定エリア外の立看板の設置に関する規程」を制定・公布しました。
大学が定めた主な規制ガイドラインは以下の通りです。
- 公道に面した外周(吉田キャンパス石垣など)への設置を全面禁止
- 設置主体を「学内公認団体」等に限定し、事前届出を義務付け
- キャンパス内部の「指定エリア」のみに設置場所を限定
- 規程に違反した看板は大学側で予告なく撤去可能
2018年5月13日早朝、大学職員の手によって石垣沿いのタテカンが一斉撤去されたことで、半世紀以上続いた「石垣タテカン文化」は物理的な断絶を迎えることとなりました。当時、現場に居合わせた学生やOBからは「大学自治と表現の自由が行政権力に屈した象徴的な日」として激しい怒りと戸惑いの声が上がりました。