脳梗塞の兆候を見逃さないために、世界的に推奨されているのが「FAST(ファスト)」という合言葉だ。これは、Face(顔のゆがみ)、Arm(腕の麻痺)、Speech(言葉の障害)、そしてTime(発症時間・即座の通報)の頭文字を取ったものである。
磯野のケースでは、まさに「Speech(言葉の障害)」が顕著に現れていた。言葉がうまく出てこない、相手の言うことが理解できないといった症状は、単なる疲れや寝不足と勘違いされやすい。しかし、少しでも不自然さを感じたら、迷わず救急車を呼ぶべきだという教訓を、彼女の事例は示している。