近年の映像カルチャーは、分かりやすい共感や整えられた記号的キャラクターで溢れ返っている。そんな時代にあって、割り切れない矛盾や割り切れない情念をそのまま提示できる俳優は極めて貴重だ。映画監督やプロデューサーたちがこぞって彼女を指名するのは、型にはまった演技ではなく、予期せぬ化学反応を現場にもたらしてくれる信頼感があるからに他ならない。
彼女はカメラの前で決して自己防衛をしない。役が傷つくなら自身も傷つき、役が泥にまみれるなら躊躇なくその泥を被る。その徹底した献身と剥き出しの純粋さが、スクリーンのこちら側にいる私たちの感情を激しく揺さぶる。日本映画界が今もっとも欲している「真の生々しさ」を、彼女は確かに背負っている。