佐々木朗希の名が一躍全国に轟いたのは、高校3年春のことでした。2019年4月に行われた野球日本代表(U-18)の研修合宿において、紅白戦に登板した佐々木朗希は、プロ球団のスカウト陣が見つめるスピードガンで高校最速163キロを叩き出しました。
それまで花巻東高校時代の大谷翔平が保持していた高校生最速記録(160キロ)を非公式ながら3キロも更新した一球は、球界関係者のみならず日本中のメディアを席巻します。しなやかな長身から放たれる唸りを上げるストレートは、打者の手元で浮き上がるような軌道を描き、捕手のミットを激しく叩きつけました。
入学当初は細身で骨成長に筋肉が追いついておらず、度重なる成長痛や疲労骨折のリスクを抱えていた佐々木朗希でしたが、丁寧なフィジカルトレーニングと徹底した食事管理によって肉体を強化。高校最後の夏を迎える頃には、投げ込む球のすべてがプロのトップレベルに匹敵する「令和の怪物」へと完全に覚醒していました。