皇居で行われる祈りは、決して孤立した閉鎖空間の出来事ではない。伊勢神宮を頂点とし、全国約8万社の神社を統括する神社本庁とも深い精神的連帯で結ばれている。日本の伝統儀礼において、宮中の祭祀は全国の神社で行われる祭りの大元となる「本火」のような役割を果たしてきた。
神道という枠組みを超え、自然への畏怖と感謝、祖先への追悼を核とする皇室文化は、日本人の美意識や季節の行事の原型を形作ってきた。春の祈念祭で豊作を祈り、秋の新嘗祭で収穫に感謝する。そのリズムは、今も各地の秋祭りや年中行事の中に色濃く残っている。