朝ドラで国民的知名度を獲得した後も、彼女の挑戦は決して守りに入らなかった。日本テレビ系ドラマ『過保護のカホコ』で見せた、純粋無垢ゆえのコミカルさと愛らしさは社会現象を巻き起こし、コメディエンヌとしての卓越したセンスを証明する。緩急自在なリアクションと間の取り方は、同世代の女優の中でも群を抜いていた。
さらにキャリアを重ねるにつれ、表現の幅は重厚な大人の人間ドラマへと深化していく。Amazon Prime Videoで世界配信された『1122 いいふうふ』で見せたのは、夫婦のリアルな摩擦や葛藤を赤裸々に体現する生々しくも成熟した芝居だった。きらびやかなヒロイン像を脱ぎ捨て、生身の人間の痛みをリアルに表現する姿は多くの共感を呼んだ。
コミカルな民放ドラマから配信プラットフォームの先鋭的な人間ドラマまで、媒体を問わず観る者の心を掴んで離さない。昔から培ってきた表現の土台があるからこそ、いかなる実験的な役柄であっても説得力を持って成立させられるのだ。