下関といえば、なんといっても「フク(河豚)」だ。地元では「福」に通じるとして「フグ」ではなく「フク」と呼ぶ。唐戸市場は、日本全国で水揚げされる天然・養殖のトラフグが集まる一大集積地でもある。
市場内の専門店では、極薄に引かれた透明感あふれるフク刺し(てっさ)や、揚げたてのフクの唐揚げが目玉商品だ。2026年の現在、水産資源の保護とトレーサビリティの徹底により、品質の高さは過去最高レベルに達している。料亭で食べれば数万円は下らない最高級のトラフグが、市場価格の数分の一で手に入る。噛むほどに広がる独特の歯ごたえと甘みは、一度体験すると忘れられない旅の記憶になるはずだ。