主演俳優として作品の軸を担う佐藤流星だが、今回の役作りは彼のキャリアにおいても過去最も過酷なものとなった。作中で彼が演じるのは、過去の壮絶なトラウマと背中合わせに生きる複雑なバックグラウンドを持った主人公。役の精神状態に極限までアプローチするため、彼はクランクインの3カ月前から徹底した肉体改造と役作りのための「完全な孤立期間」を設けたという。
「現場に入った瞬間から、彼は佐藤流星ではなく完全にキャラクターそのものだった」。共演スタッフが口を揃えて語る未公開エピソードがある。極寒の夜間ロケが続いたロケーション撮影では、氷点下の環境下でもコートを羽織ることなく、役柄の緊張感を維持し続けた。モニター越しに見つめる監督が息をのむほど、その演技には鋭い刃物のような尖りと、崩れ落ちそうな切なさが同居していた。